二人でサムイ(タマリンド・リトリートと食堂のマダム)&いってきます! [タイ]
2006年に夫婦でサムイ島を訪れたときの記録です。
滞在2日目、ナ・ムアンの滝でエレファント・トレッキングをした我らは、日本から予約をしていたタマリンド・リトリートへ向かいました。
本当は、タマリンドの宿泊棟に滞在したくてサムイ島行きを思いついたのですが、リノベーション中とのことで叶わず、スパだけを予約していたのでした。(その時の記事はこちら→「二人でサムイ(出発まで)」
ナ・ムアンの滝からサムイ島の周遊道路を西へ進み、ラマイビーチの近く、鬱蒼としげる椰子の森の中にあるのがタマリンド・リトリートです。
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タマリンドの敷地に着いて、受付のサラ(東屋)でチェックインをします。今回はOver the Top Massageという上半身を中心にしたマッサージとハーバルバスをお願いしていました。(写真は受付のサラにて撮影)
マッサージで使うオイルを選ぶのですが、前回私が使ったタンジェリンの香りはなくなっていて、オイルはブレンドしたタイプのものに変わっていました…。すごーく残念。(前回受けた時の記事はこちら→「サムイ島一人旅(タマリンド・リトリート)」)
軽くシャワーを浴びてサロン(パレオのようなもの)に着替えます。丘の中腹にある、岩をくりぬいたHerbal Steam Caveに入り、ごうごうと蒸されるハーブの蒸気のサウナに5分ほど入ります。その後、表にある滝壺のようなプランジ・プールで体を冷やし、休憩しながらこれを1時間くらい繰り返します。私はこのハーバルバスがとても好きなのです。ハーブの香りが清々しいし、プランジ・プールで泳ぐと自然の中にいる~、という実感が湧いて癒されるのです。
この後マッサージになるのですが、今回は夫婦で申し込んでいたので、丘の上にあるマッサージ・サラではなく、カップルルーム?みたいなところへ通されました。オープンエアだったと思うけど、東屋ではなく、やけにだだっ広い立派な建物でした。
旦那さんはスパのトリートメントを受けるのは初めて。私と旦那さんに一人ずつセラピストさんがついて施術してくれました。室内は丘の上のマッサージ・サラ同様、Silent厳守なのですが、うっすらとインストゥルメンタルのBGMがかかっていました。まったりと施術を受けていたのですが、前回の人の方がここぞ、と思うところにマッサージをしてくれたような…。ちょっと物足りなさを感じていました。それでも気持ちよくてうとうとしていたのですが…。
マッサージも終わりに近づいた頃、BGMに坂本龍一の曲がかかったのに気づきました。「筑紫哲也NEWS23」のテーマ曲だった「put your hands up」のピアノVer.の曲。その瞬間、坂本龍一が好きだった、死んだ兄のことが思い出されたのです。
私より4つ上だった兄は、短気だったけど、ひょうきんで、頭がよくて、凝り性で、面倒見のよい優しい人でした。趣味趣向が兄と似ていた私は、必然と兄の影響をもろに受けて育ちました。兄は私にとって運命共同体のような人であり、苦楽を共にできる理解者でもありました。そんな兄がこの世の人でなくなって、13回忌の法要を翌月に控えていた時の旅行でした。
兄の死について心の中で折り合いをつけられるようになったのは、割と最近のことです。それまでは、自分の命に兄の死を昇華させることもなく、年輪のように大きくなっていく喪失感と、自己憐憫にも似た悲しみばかりを抱えて生きていたように思います。
そんな気持ちを閉じこめていた蓋が、マッサージを受けている間にそろそろと外され、そこに坂本龍一の音楽が濁流のように流れ込んできたような感覚でした。その瞬間、私の中にある何かのスイッチが入ってしまったんだと思います。涙が一気にどばーーっと流れ出して、前回サムイに一人で来たときに、トランジットのバンコクで抱えたような激しい腹痛に襲われました。
マッサージはほどなくして終了し、大丈夫ですか?とさんざん声を掛けてもらいながら、セラピストの方と旦那さんに抱えられるようにして受付のサラへ移動しました。
なんだかんだ言って、やはりタマリンドの施術は心や精神の奥深くに入りこむ何かがあるのでは、と思いました。こんな風になるなんてまったく思いもしませんでした。恐るべし、タマリンド…。
旦那さんはというと、施術をされている間すっかり骨抜きのようになっていて、かなりリラックスできたようです。よかったよかった。
精算を済ませ、タマリンドで手配してもらった送迎の車を待っていると、宿泊棟の予約の件でメールのやりとりをしたHead Therapist/trainerの方がわざわざ挨拶に来てくれました。宿泊を断って申し訳なかった、とのこと。お腹が痛いということですが、大丈夫ですか?と私の心配もしてくれました。やりとりをした後の私のスパの予約までちゃんと追っかけてくれていて、なんだか嬉しかったです。
タマリンドが用意した送迎の車で、チャウエン方面へ向かいます。もう陽は落ちていて、辺りはすっかり暗くなっていました。
そのまま滞在していたリゾートまで送ってもらうのではなく、私は途中のチャウエンで降ろしてもらおうと企んでいました。前回、ほうぼうやのツアーで知り合ったおじさまに連れて行ってもらった、あの超ローカルな食堂に旦那さんを連れて行き、安くてうまくて活気のあるタイならではの料理や、周りにあった雰囲気たっぷりの市場を体験してもらいたかったのです(食堂に連れて行ってもらったときの記事はこちら→「サムイ島一人旅(夜のチャウエン)」)。
前回滞在したチャウエン・リージェントのあたりで車を降り、二人で歩き始めました。グリーン・マンゴの前を通って、空き地のようなところを横切って…、と記憶を頼りに歩いてみたのですが…。辿り着いた道路には何もない 自慢じゃないけど、私、方向感覚が余りよくありません。なのに、自分がこう、と思ったことには変な自信をもつ傾向があります…。もういいから引き返そうよ~、と言って私を後から引っ張る旦那さんと、いいやこっちのはず、と痛むお腹を抱えながら意固地になって前を歩く私…。端から見たらあの二人大丈夫かいな?、と思われたと思います…。
結局前回の場所は見つけられず、諦めて引き返すことにしました。途中、一軒の食堂の前を通り過ぎていたので、ここでもいいか、と、落ち着いて夕食をとることにしました。お店の人と思われる初老のマダムが通りに出ていて、私たちの行動を心配そうに見ていたのが目に入っていたのです。
そこは駐車場のようなコンクリートの場所にテーブルと椅子を並べた食堂で、そのマダムが店の切り盛りしているようでした。「あなた、お腹が痛いんでしょ? 今、暖かいお茶を持ってきてあげるからね」と言い、マダムは調理場兼住宅、みたいな建物に消えていきました。持ってきてくれたのは多分ウーロン茶。「中国のお茶みたいなんだけどね」と言って、お茶の入っていたパッケージを見せてくれました。朝鮮人参入り鉄観音、みたいなことが書いてあったと思います。
何が食べたい?でも、辛い食べ物は絶対ダメだからね、とマダムに言われ、「ソムタム(青パパイヤのサラダ)が食べたいんだけど…」と私がこっそり言うと、「絶対ダメ」って怒られちゃいました。ソムタム、食べたかったのに…。「あなた(私)にはおかゆを作ってあげる、あなた(旦那さん)はきっとシーフードが食べたいでしょ? いい魚があるからそれでスープを作ってご飯をつけようね」と、マダムの完全仕切りでオーダーが決まっていきました。
私たちだけだった客席も、ちらほら他のお客さんが見え始め、地元風の人や欧米の旅行者風の人達も入ってきました。マダムは忙しそうにテーブルをまわり、客全員に声をかけていました。
しばらく待って料理が運ばれてきました。私のは本当にうすーい味つけのおかゆ。ほんのりナンプラーと魚介のだしの味がしていたと思います。暖かくてほっとする味…。旦那さんの方はというと……。どどーんと一匹、立派な魚がのっかった、ボリュームたっぷりのスープ(∇°;;;;)。これ、一人分…?? そしてちょっと味見させてもらうと…か、辛い 実は辛いものが苦手な旦那さん、髪の毛がぐしょぐしょになるくらい汗をかいて、必死にスープを食べていました…。辛くしないでね、って頼むの、すっかり忘れてしまいました…。ごめんよ~。でも磯の香りがふわーっと漂うスープで、鯛に似た白身の魚も美味しかったようです。
食事が終わって、会計をし、マダムにお礼を言いました。ジャスミン茶を飲むといいわよ、とアドバイスをもらい、どこに泊まってるの?と聞かれたので、エヴァソン(シックス・センシズ・サムイの当時の名称)です、と答えると、なんと、娘夫婦に送らせるわ、と言ってくれました。そこまでしてもらって申し訳ない…、と思ったのですが、もしかするとこの時間にチャウエンからエヴァソンまで行く交通手段がなかったのかもしれません。私、帰りの交通手段のことまで考えていませんでした…。
娘さん夫婦の車に乗り込み、リゾートまで送ってもらいました。人のいいマダムに似た、感じのいい娘さんとご主人で、出会って間もないのに別れ際にお互いハグをしました。
サムイでは必ず人との出会いがあります。この時のマダムも、タイの私のお母さん、みたいな感じがして、できれば日本に招待したい、と思ったくらいです。
思いがけず、スパで気持ちが揺さぶられて体調を崩したけど、マダムのあったかい人柄と、体に優しい食事のお陰で、体調の崩れはこの日でストップさせることができました。助けられたと思っています。マダムが今でも元気で、変わらずにしゃきしゃきとお店を動き回っていますように…。
【旅立ちが決まりました】
中間報告、という形で年末に記事にしていた次のリゾート旅行の計画ですが、旅立ちが決まりました 唐突ですが、今週の土曜日(1/23)から5日間です…。
旅行時期をなかなか決められないでいたのですが、事態が色々と変わり、旅行に行くとしたらここで行くしかない、ということになり、急遽手配を始めました。行き先は……
フィリピンのエルニド です
エルニドにあるミニロック・リゾートは、「今後行きたいリゾート」として記事にしたこともあるリゾートです(その時の記事はこちら→「エルニド リゾーツ ミニロック アイランド(フィリピン)」)。
初フィリピンなので、ちょっとどきどきです。
リゾートそのものは豪華ではないようなのですが、とにかく自然が素晴しいようなので、かなり期待しています。
タイ旅行記が途中なので、帰国後、完結させてからフィリピンの旅行記をスタートさせたいと思っています。
それでは、今週末にいってきま~す。
知っている人のいない海外を旅行していると、
ひとりであることの厳しさと、
ひとりじゃないことの喜びを、
ストレートに感じることができます。
そんな刺激がちょっと強いなと感じるときは、体調が崩れることがあります。
楽しい旅行になりますように!
by kazn (2010-01-19 20:51)
前回満足だったので、また行ったら
思いも寄らないことでガッカリすることって
ありますよね^^;
by gyaro (2010-01-19 21:45)
~コメント&nice!ありがとうございました~
●kaznさん、
その気持ち分かりますー。
ヨーロッパを一人で回っていたとき、そういう気持ちを味わいました。バランスって大事ですよね…。
私の場合、どうも弱さがお腹にくるようです。
フィリピンではそういう目にあわないようにしたいと思います(^^;。
楽しんできま~す♪
●gyaroさん、
最初に訪れたときの感動を再訪時にも味わえる所ってなかなかないように思います。
ファーストインプレッションの力ってすごいのですね。
何度行っても何かしら感動のある所を見つけられるような年のとり方をしたいと思っています…。
by pawpaw (2010-01-20 21:29)
お久です♪今年もよろしくですっ!
フィリピン。。。未だ行ったことがない。。。(フィリピーナと呼ばれていたわたくしなのだが、、)
by mee (2010-01-23 19:20)
meeさん、
コメント&nice!ありがとうございます。
こちらこそご無沙汰していてスミマセン…。
今年もよろしくお願いしますデス。
昨日フィリピンから帰ってきました~。
フィリピンの方って小柄でかわいいですよね。
meeさんもそんな感じなのかにゃ?と思いました(^^)。
たくさん遊んで楽しんできましたよ~。
by pawpaw (2010-01-28 17:36)
おつかれさま^v^
ご無沙汰していて ごめんね☆
そうですか・・・PawPawさんも
いろんな経験されていますね。。
僕も 5年前に 姉を亡くして・・
いろいろと ありました^^;
by しげ (2010-01-30 21:09)
しげさん、
こちらこそ、なかなかご訪問できず…。
スミマセン。
しげさんはお姉さんを亡くされてるのですね。
天国から見守ってくれていると思います…。
「絆」はこの世界でも残るものだから。
by pawpaw (2010-02-01 07:52)