エルニド・タウン経由で帰路へ [フィリピン]
**2010年1月 4泊5日フィリピン・エルニド 5日目**
GWと五月晴れの日々が過ぎ、梅雨の季節が近づいてきました。
前回は思うにまかせて、傷心たっぷりな記事になってしまい、申し訳ありませんでした…。
もういい加減に終わらせないと、と思いつつ更新が全然進まなかったフィリピン・エルニドの旅行記です。ようやく帰路につくところまできました…。この記事でフィリピン編はラスト、終わらせます。長いこと引っ張りさんで申し訳ありませんでした…m(_ _)m。
楽しかった4泊5日の旅はあっという間。ひたすら帰国の移動をするだけの最終日を迎えました。
朝7時過ぎにリゾート発、船でエルニド空港へ移動。エルニドからマニラの空港へリゾート専用機で移動。マニラから成田便に乗って帰国、となります。
最終日もやはり朝早くに目が覚めてしまいました。夜闇の面影が残る雲に朝焼けのオレンジが照らされた空の色と、リゾートの景色をしっかり目に焼きつけました。
朝早い出発でしたが、朝食はレストランでとることができました。前日午前の時点では、ボックスをもらって船上で朝食、という予定だったのですが、出発時間が急遽変更になって遅くなったため、レストランで温かいコーヒーを頂くことができました。
レストランには前日のプライベート・ディナーでお世話になったマイクさんがいたので、お別れの挨拶をしました。チェックアウトを済ませて桟橋へ向かうと、ギターを持った「歌のお兄さん」や、ガイドのデニスさんなど、お世話になったスタッフの人たちが見送りに集まっていました。
バンカーボートに乗り換える小舟が到着して、いよいよリゾートを離れます…。アットホームな雰囲気だったから、去るのがとっても淋しく感じました。
姿が見えなくなるまで、みんなずーーっと手を振っていてくれてたのですよ。。。
ゲストが旅立つのは飛行機の時間に合わせて1日3回。その度にスタッフの皆さんはこうやって見送っているんですよね。
最終日も風が強く、波が高かったため、バンカーボートに乗っていても波しぶきがパシャパシャかかってきました。ボートにはアイランド・ホッピングでお世話になったガイドのGeeさんが同乗していました。
通り過ぎる島々をしみじみと眺めながら船に乗っていたら、旦那さんが「来た時と景色が違うねー」と言い出しました。
え、そうかい??、と、私は全然気づかなかったのですが、船は空港の船着き場ではなく、いつの間にか町の港に入港していました。
波が非常に高く、空港の船着き場へ船をつけることができなかったため、エルニド・タウンの港に入りました、とGeeさんが説明してくれました。港からはジープニーに乗り、陸路で空港へ向かいます、とのこと…。
エルニド・タウンの港です
港で船を下りて、ジープニーに分乗。思いがけずエルニド・タウンを見学する機会ができました。
エルニド・タウンは港の周辺とメインストリートの一本道がにぎわっている界隈で、ツアーを出している店やゲストハウス、商店などが建ち並んでいました。
町の背後には岩山が聳えています。エルニドならではの風景。
↑ ジープニーの窓からカメラを向けたら、「これ一つ○ペソだよ!」って声をかけてきた商店のおばさん。商魂たくましいっす~。
通り過ぎる車両はほとんどがトライシクル。オートバイにキャビンを取り付けた乗り物です。ちょっとぎうぎうな感じ…(^^;。
役所のような建物はコロニアル風の立派なものですが、一般の商店や民家はトタン屋根だったり茅葺だったり、簡素な造りのものが多かったです。
だからといって、この町の様子を決して貧しいとは思いませんでした。活気を感じたし、人々の表情が明るく、満ち足りているものを感じたからです。
でも、リゾートのチェックアウトで我らが支払った金額をこの人たちが知ったら、一体どんな顔をするんだろう…、と思ったのも事実です…。
ちょうど学校の登校時間だったようで、白いシャツに身を包んだ子供たちをたくさん見かけました。手を振るとにっこり笑って答えてくれる子もいれば、思いっきりあっかんべーをしてくれる子もいて、みんなそれぞれに可愛かったです…。
町を通り抜けるといきなりヤシの木が聳える緑地帯になりました。
道路状態はあまり良くないので車内はとても揺れたし、減速して運転しているので空港までの道のりは結構長く感じました。飛行機の出発に間に合うんだろうか、とちょっと気を揉んでしまいました。
なんとか、エルニド空港に到着…。港から多分30分弱くらいかかったと思います。
お約束の体重測定をし、荷物を預けます。ちなみに、なぜか帰りは荷物の超過料金を取られませんでした。帰路のほうが重いはずなんですけどね。
来た時と違って、出発ラウンジは大混雑。
到着時と同様、おやつとお茶のコーナーがあったのですが、この日はハエがたかっていなかったので、安心してばくつきました。
ラウンジに掲げられていたカーボンオフセットの取り組みです。エルニドのリゾートを気に入った理由の一つに、エルニド哲学を根本にした環境への意識の高さがあります。専用機で生じるCO2を、植林によって削減しようとしていたり、「Be G.R.E.E.N(Guard. Respect. Educate. El Nido)」と題して、環境保護の教育をすべてのスタッフ(非正規含む)に対して行っていたり、持続可能な環境づくりのために真剣に取り組んでいる姿勢がうかがえたのです。
「resort」の語源は「人が集まるところ」という意味らしいです。リゾートには必然的に人工物が設えられます。人が環境に及ぼす影響は計り知れず、今の時代、「全く手つかずの自然」というのは存在しないのだそうです。私たちが出来ることと言ったら、いかに持続可能な自然環境を保っていくか、ということなんじゃないかと思っています。だから、1リゾートとして、出来ることから実践しているエルニド・リゾーツには好感が持てるのです。
搭乗開始の時間になって、徒歩で飛行機へ。来た時と同じように、エルニド婦人会?の皆さんが歌を歌ってくれていたのですが、あいにく飛行機のエンジン音に紛れて歌は聞こえなかった…。お母さんたち、ありがとう さようならー。
ゲストの人数が多いので、飛行機は2便出ました。席も自由で、入った順にシートに腰掛けていきます。
さようなら、エルニド~。
飛行機の窓は傷だらけで汚れており、窓からの景色はあまり楽しめませんでした。でも、雲の中に不思議な光を発見しました。太陽の輪?のような…(見えるでしょうか)。
風が強かったので飛行機はかなり揺れました。時折ジェットコースターのようにガクっと下がったり…。小型機はよく揺れます…。しかもアホな私は揺れる飛行機の中で書き物をしてしまったため、思いっきり酔ってしまいました。
マニラの空港に到着。気持ちが悪くて、歩くのもやっとなくらいグロッキー状態でした…。
来た時と同じく、トランスファーガイドのリンダさんとミートし、国際線が発着するニノイ・アキノ空港へ専用車で向かいました。車が渋滞しており、ほんのわずかな距離なのに大分時間をかけて移動。その間の、本当に長いこと…。口元にエチケット袋をあてがいながら、リンダさんのマシンガントークをやり過ごしていたのでした…。
やっとのことで空港着。空港建物内にはeチケット控えのある人しか入れないそうで、リンダさんとは空港の外でさよならをしました。空港内に入ると別の係りの人がついてくれました。施設使用料を払って、チェックインするところまでの、ほんのわずかな間だけでしたけど…。はっきり言って、必要ないのでは、と思ったんですが、フィリピンでは何事においても、一人でやる仕事を二人以上で分け合って、雇用を維持しているように見受けました。
つつがなく出国審査を終えて、セキュリティチェックを受けました(チェックの際は靴を脱ぎます!)。
出発まで時間があるから、食べ損ねたフィリピン料理のシニガン(スープ)とか、食べまくるぞー、と意気込んでセキュリティエリアを抜けると…。
あれ?? ワンフロア?? しかも、目の前にゲートがあるんですが
なんと、この空港にはレストランがなかった…。カフェもない。サンドイッチ屋さんに辛うじてテーブル席があるだけ。あとはお弁当屋さんのみ…。
出発まで数時間あったので、どうやって時間をつぶせっちゅーねん、と本気で怒りモードになりました。
免税店に置いてあるのも、なぜかハワイのマカダミアナッツチョコとか、ベルギー製のチョコとか、海外産のものばかり。
フィリピン産の代表格・ドライマンゴーはたくさんあり、物色していたところ、日本人の男性に声をかけられました。「これ、いくらなんですか?」と聞かれ、値段がついているのに何言ってんだこの人?、と思ったのですが、要するに「値段が高すぎますよね?」と言いたかったのだ、と分かりました。表示は(なぜか)US$で、フィリピンペソ(PHP)に換算してみると、マニラ市内のショッピングモールで売っている値段の何倍もする、ということでした……。
免税店ではなく、個人経営のお店で割とフィリピンらしいものを置いている所を発見しました。置いているのはココナッツソープとか、フィリピンコーヒー、ロザリオ等の宗教グッズといったものです。ターミナルの端にマッサージエリアがあるのですが、そのすぐ近くにありました。
ちなみに、空港内のマッサージは格安で魅力的でしたが、カードは使えず、釣り銭はPHPのみ、と言われ断念しました。その時PHPはきれいに使い切っていて、1万円札しか持っていなかったのです…。
それにしても、セキュリティの後、目の前がすぐゲートなんて空港、今時日本の地方空港にだってそうはないと思います…。首都の空港で、東南アジアの主要国だと思うのですが…。
日本のODAで作られました、という恩着せがましいパネルを見て、とても恥ずかしくなりました。飲食店や店舗をもっと充実させたなら、旅客サービスを向上できただけでなく、フィリピンの人たちの雇用の場を増やすことができたのに。
しかも、ハコは日本の手によるものですが、空港内のTVやPCなどは、サムスンやLGなど韓国企業の製品で占められていました。これが時代の流れというものなのかもしれませんが、日本はこのままでいいんかい、という気持ちにさせられました…。
何もすることがないので、ゲート前の椅子に座って、カメラをプレビューさせて、エルニドで撮影してきた写真を眺めていました。すると、男の子がとことこやって来て私のカメラを覗き込んできました。
「一緒に見る?」と聞くとこくりと頷いたので、あーだこーだと話しながら一緒にプレビューを見ていました。まだお話ができないようだったので、多分2才くらいの男の子かな、と思います。
ふわふわの巻き毛が可愛くて、ラファエロの天使みたいでした。きっとお父さんが日本人でお母さんがフィリピンの方なんだろうな。
何枚か見た後、別のものに興味を持ったようで、とことことどこかへ離れていきました。
その他、空港ではエルニドの絵葉書を買っていました。どんな場所に行ってきたのかを両親に教えたかったからです。帰国後、両親にその絵葉書を見せると、「三陸海岸にそっくりだな」と言われました。
言われてみれば、奇岩が聳えている風景などは、郷里の岩手県にある三陸海岸に似てなくもない……、かな~??
上:エルニド(ミニロック島)のスモールラグーン入口
下:岩手県大船渡市にある穴通磯を間近から撮影
なぜか懐かしい気持ちになっていたエルニド。アットホームなスタッフのホスピタリティのせいかなー、と思っていたのですが、郷里に似た風景のせいだったのかもしれません…。
リゾートのスタッフに5周年のアニバーサリーと勝手に思われてしまった今回の旅行。次に行くのは何周年の時なんでしょうか。もし行くことができるなら、次回はちびっこも一緒だと楽しそうだな…。
いつになるか分からないけど懐かしの風景にまた会いに行くよ Bye~
【フィリピン編 記事まとめ】
<出発前>
出発まで ~ エルニドへの旅支度
<1日目>
フィリピン航空 ~ PR431便 B777-300ER ~ エルニドへトランジット ~ 専用機でエルニド空港へ ~ エルニド空港 ~ ミニロックにやっと到着! ~ エルニド哲学 ~ ミニロックのシービュールーム ~ ミニロックでの最初の夜
<2日目>
ミニロックで迎えた初めての朝 ~ 桟橋でシュノーケリング&昼下がりのリゾート ~ ビッグ&スモールラグーン巡り ~ サンセット・クルーズ、スパ&夏の思い出
<3日目>
雲の親子&スネークアイランド ~ 洞窟巡り ~ エンタルーラ島でピクニックランチ ~ シミズビーチでシュノーケリング ~ ルーフトップレストラン&旅行博2010
<4日目>
サンライズカヤック&池上本門寺お会式 ~ ミニロックからラゲンへ&晩秋のイーハトーヴ ~ ディブルアン島のビーチクラブ&ライトピア2010 ~ プライベート・ディナー
ということで、フィリピン編はこれにて終了です。
旅行記を終えるのに1年半近くかかってまいました……。
毎回の長い記事に、長らくお付き合いいただいてありがとうございましたm(_ _)m。
※次回は、これまた時期外れな、春に行った伊豆旅行の記事をアップしていきたいと思っています。よろしければまたお付き合いください。
最後の日にこんなにきれいな朝焼けを
見ることが出来てよかったですね☆
やっぱりいい雰囲気の場所や人に出会ったり
ステキなところだと帰りたくなくなっちゃいますよね。
by とみっち (2011-05-27 03:21)
>とみっちさん、
コメントありがとうございます!
最終日の朝焼けは、暗めの雲にかかったオレンジが印象的でしたよ。毎朝違った空の色を見ることが出来て幸せでした。朝の海って好きなんですよね~(^^)。
良い出会いがあった場所って、去りがたい気持ちになりますよね(とみっちさんも、そういう場所が多いのではないですか?)。そして、いつの日かまた行きたいと考えてしまいます。
by pawpaw (2011-05-27 20:38)
ご無沙汰しちゃいましたが、元気です。
(聞かれてないけど・・・)
あぁぁ、今年も旅の季節がやってきたなぁ~。
by kazn (2011-06-11 20:21)
>kaznさん、
こちらこそご無沙汰してます。
全然お邪魔できてなくて申し訳ありません…。
お元気なんですね? よかったです!
そろそろ、…の季節ですね~(^^)。
今年も行かれるんですか?
私も早よどっかに行きたいですよ。。。
by pawpaw (2011-06-12 11:35)
いやぁ~楽しい旅だったじゃないですかっ!
たんまりと思い出ができちゃいましたね♪
空港での待ち時間・・・これが結構やだ、、です。
乗り継ぎは短いほうがありがたいです、、
でもま、旅は時間気にせず。。。がモットーですがね、、
by mee (2011-06-21 10:42)
>meeさん、
コメントありがとうございます。
お陰さまで、エルニドの旅は思い出深いものになりました。
あれ以降、旅らしい旅はしていないんですよ。。。
私は空港が大好きな人なので、6時間くらいだったら全然平気だし、案外すぐに時間が経つように感じるんですが、ニノイ・アキノ空港は辛かったです…。できることならビジネスで行って、ラウンジを利用したいところです…。
時間を気にしない旅が、やっぱりいいですよね!
by pawpaw (2011-06-23 19:36)