サムイ島一人旅 (バンコク・エアウェイズ) [タイ]
2003年に思いつきで行った、タイ・サムイ島への一人旅について綴っています。
心が弱って体力もないのに決めた旅立ち。トランジットのため滞在していたバンコクでみやげ物屋に連れ回され、激しい腹痛に襲われた挙げ句、ようやくの思いで空港にたどり着きました。
バンコクからサムイへの便はバンコク・エアウェイズを利用します。(現在はタイ国際航空も利用可)。しかし、この時の私は航空会社がどこかと意識している余裕がなく、自分が乗り込んだ飛行機が本当にバンコク・エアウェイズだったのか、記憶がないのです。
しかし、この時の航空会社の対応は忘れることが出来ません。
(写真はバンコク・エアウェイズのサムイ号。Wikipediaより)
空港のカウンターに着くと、ガイドさんがチェックインをしてくれました。カンターのお姉さんに向かってへらへらと話しているのですが、どうやら私が体調不良であることを伝えてくれているようです。ガイドと話し終わると、カウンターのお姉さんは私の方をくるりと見て一言「顔が真っ青ですよ」と真剣な表情で言ったのです。そして何やら連絡をとると、スタッフの人を同行させるのでその人についていってくださいね、とにっこり微笑んだのでした。
間もなく女性のスタッフの人が私の所に来、こちらへどうぞ、と私に付き添ってくれました。言われるがまま歩き、たどり着いたのはどうやら待合室のよう。背もたれのないソファのような一角があり、そこに何故か「reserved」の札が置かれていました。え?! なんで空港の待合室にreserved?? と思ったのですが、私のために横になれる場所を確保してくれていたようなのです。
ここで横になって下さい、時間になったら私が呼びに来ます、とスタッフの人に声をかけられました。もしこのまま取り残されたらどうしよう、という気持ちもあったのですが、体調の悪さには勝てず、そこでぐったりと横になってしまいました。暫くして、搭乗開始時間になるとちゃんとスタッフの人が呼びに来てくれ、ゲートまで私に付き添ってくれました。
飛行機はシート2-2で70人乗りくらいの小型機。入り口も後方に一カ所あるのみです。機内はほぼ満席だったのですが、私の席は一番後で、隣の席は空いていました。トイレに一番近く、横になれる席をアサインしてくれたみたいです。
機内ではCAさんが大丈夫ですか、と声をかけてくれました。体調の悪い乗客がいる、と伝わっているんだ~、と安心感を覚えました。CAさんの待機するスペースも私のすぐ後だったのです。
飛行機は分厚い雲が垂れ込むバンコクを後にしました。ややおさまってきたものの、まだお腹が痛く、シートベルト着用のサインが消えた後、何度かトイレに通いました。シートの上でぐったりと横になりまどろんでいたのですが、ふと窓の外に目をやると……。
海です 眼下に大海原が広がっていました。深い、深い碧色の海。海を見た途端、気持ちがすーっとして、まるで頭が冴え渡っていくような感覚を覚えました。
波が描く縞模様の上をところどころ船が走り、海に軌跡を描いていました。漁船なのかな、レジャー船なのかな、きっとこれから港に戻るんだろうな、そんなことを思いながら、食い入るように窓の外を見つめていました。
水平線の先には傾きかけた太陽が、空をオレンジ色に染めていました。一日の終わりの挨拶をされているようで、その色は優しく穏やかで、世界全体を包み込んでいるようでした。
私はすっかり陶酔した気分でその景色を眺めていました。まるで心の中に景色が溶け込んでいくようでした。
そうしてランディングしたサムイ空港。滑走路沿いに色鮮やかな花が咲き乱れています。まるでこの地を訪れる人々を歓迎してくれているかのよう。天国ってこんな風に花が咲いているのかな、そんなことを考えていました。
窓から見える空港の建物は茅葺き屋根のオープンエア。えーー、これが空港なの??というのが第一印象でした。南国風の、とってもlovelyな空港。そしてタラップから降りる乗客を待っている車両はカラフルな絵が描かれていて、まるでテーマパークのトラムのよう。とっても楽しげです。
飛行機から降りる際、CAさんが声をかけてくれました。歩けますか?、専用の車両を用意しましょうか? と聞いてくれたのです。たかが腹痛なのに、ここまで配慮してくれるなんて……(T_T)。感謝せずにはいられませんでした。バンコクエアウェイズの対応で、タイのおもてなしの心を教えてもらった気がしました。
空港からリゾートまでは送迎のガイドさんがついてくれます。移動の車内でしつこーーーくオプショナルツアーへの参加を求められましたが、なんとか断り続けました。
そうして陽も落ちた頃に着いたのが、チャウエン・リージェント ビーチリゾート 。オープンエアのスペースに置かれたソファへ通されて、花が添えられた、つめたーくて気持ちいいおしぼりとウェルカムドリンクが出されました。周りは明るくライトアップされています。ジャスミンのようないい香りがどこからか漂ってきていて、心地よい気分に浸っていました。やっとたどり着いたんだ~~。
案内された客室はアパートメントタイプの2階角部屋。ウッディなインテリアで落ち着く雰囲気でした。テーブルにはウェルカムフルーツが。お腹の調子を気にして、この日の夕食はウェルカムフルーツと日本から持参したカロリーメイトで済ませました。
バンコクエアウェイズの暖かい対応、空からの景色、可愛らしい空港、素敵なリゾート。サムイが私を迎えてくれたのがとても嬉しかった。ちょっとした高揚感を抱いて、この日は眠りについたのでした。
バンコクエアーズウエイ、いいですね。
そんなに細かい気遣いをしてくれるところに出くわしたことがないですね。
それだけでも、十分、心の旅ですね
by kakasisannpo (2009-04-24 10:57)
タイ人はみんな優しいですよねー。
読んでて当時の状況がすごく想像できました。
外国で一人で出会う人の優しさってほんとに
ありがたいです。
by くろた (2009-04-24 18:42)
kakasisannpoさん、
コメントありがとうございます。
この対応は本当に今でも忘れられないです。ここまできめ細かい対応をしてくれるエアラインを他に知りません。癒しを求めていた旅だったので、救われた思いでした。
くろたさん、
そうですね、外国での人の優しさってものすごくありがたいし、心に残ります。一人だとなおさら。
タイの人って優しいし、マイペンライ(気にしない)をよく口にしますよね。自分に合っていたのかな、と思います。
by pawpaw (2009-04-25 00:13)
私も、初めてサムイに渡ったときに見たエメラルド・グリーンの海は忘れられません。
鳥肌がたちました。
バンコク・エアウェイズ、いいですね。
これも初めてのとき、日本人のCAさんが乗ってらして、自分では、かなり遠くに来たつもりだったのに、「釈迦の掌を飛ぶ孫悟空」になったような気がしました。
そして、海外で頑張る日本人を見て勇気付けられもしました。
by kazn (2009-04-25 10:02)
アジアの航空会社の対応って、素晴らしいものがありますね^^
特にタイ、マレーシアの航空会社は良い感じです。
北米の航空会社の劣悪な対応とは天と地ほどの差があります。
by SHIGE (2009-04-25 15:50)
私も何度かバンコクエアウェイズを利用しています。
体調不良を気遣ってくれるのは好感が持てますね♪
私も体調不良でSQに乗った時もいろいろ介抱してくれました。
サムイの空港の雰囲気も私は好きですね!
by シゲル (2009-04-26 10:52)
素敵な対応ですね♪
海外ってなんとなく大雑把な気がしていたのですが
バンコクエアウェイズ、乗ってみたくなりました(^^
by sak (2009-04-26 18:32)
☆皆様、コメントありがとうございます☆
kaznさん、
やっぱりサムイに行くときの飛行機の景色はいいですよね。目に焼き付いてます。
バンコク・エアウェイズに日本人のCAさんがいらっしゃったんですねー。すごいな~。素敵な方なのでは、と想像してしまいました。
SHIGEさん、
アジアの人達はやはりホスピタリティがあると思います。それがサービスで現れている航空会社は素晴しいですよね。
北米系の航空会社は事務的を通り越して殺伐としている印象があります…。
シゲルさん、
SQも対応いいですよね!私、新婚旅行がSQだったのですが、カップルシートにしてくれたり、ケーキを席まで持ってきてくれたり、と非常に好印象です。
サムイの空港、可愛らしいですよね。リニューアルして大分変わったそうなのですが(kaznさんブログより)、あの雰囲気を保っていてほしいな、と思います。
sakさん、
日本の航空会社もきめ細かいですよね。対応も丁寧だし。何より安心感が強いかな。でもJLでメキシコ行ったときに何人かのCAさんが中国の方で、ちょっとびっくりしたことがあります。
バンコク・エアウェイズ、オススメですよ♪
by pawpaw (2009-04-26 22:49)
バースデイメールありがとうございましたぁ~
ロケットがかっこよかったです(笑)
Shin.
by shin (2009-04-28 12:30)
shinさん、
わざわざコメントありがとうございます。(^^)
ロケット気に入ってもらえたようでよかったです♪
素敵なバースデー過ごされたでしょうね☆
by pawpaw (2009-04-28 22:22)