サムイ島一人旅（タマリンド・リトリート）

　ブログの更新がスローペースな今日このごろです……。

　思い立って行った、サムイ島への一人旅。チャウエンにあるダイブショップ、ほうぼう屋でシュノーケリングツアーとスパを予約しました。

　日本で情報収集したときから行く気満々だった念願のスパ。タマリンド・リトリートというのが目指すスパです。（私が行ったときは「タマリンド・スプリングス」という名だったと思うのですが、スパエリアと宿泊ヴィラエリアをまとめて「タマリンド・リトリート」となっているようです）

　リゾートの部屋で、コンビニから買い込んだ昼食を済ませ、フロントで送迎の車が来るのを待ちます。しばらくすると、四駆っぽいちょっとごつめの車が到着しました。お迎えの車のようです。

　車は私一人を乗せるとメインロードを南へ走り出しました。一言も話さない、いかつい運転手さんが黙々と私を運んでくれます。チャウエンの賑やかな通りを過ぎ、細々と食堂やお店が並ぶところを過ぎ、海を見渡せる眺めのいい所を過ぎ、30分近く走ったでしょうか、車は鬱蒼と木々が生え茂る敷地の中へ入っていきました。どうやらスパに着いたようです。宿泊棟と思われるヴィラの前を通り過ぎて、車は止まりました。へ？　ここで降りるの？？　ときょどっている私に、いかつい運転手さんはぬっと前の方を指さしました。あ、そっちに行け、ってことね　

　木々の中をてくてくと進むと、前方にフロントとおぼしきサーラー（東屋）が見え、ワイと呼ばれる手を合わせた挨拶のポーズをしている女の人が見えてきました。私もワイで応えます。「○○さんですね」と私の名前を確認されました。「お待ちしてました、こちらへどうぞ」とフロントの椅子へ通されました。

　オープンエアの気持ちいいフロント。周りは緑の木々や植物に囲まれています。ここの名称にもなっているタマリンドのジュースがウェルカムドリンクとして出されました。程よく酸っぱくてさっぱりした味。

　落ち着いたところで、コースの選択をしました。どっぷり癒されたかった私は最長の5時間コースを選択。もう値段が高かろうが、かんけーなしです　そしてマッサージに使うオイルを選びました。4種類くらいあった中で、一番いい気分になれた、タンジェリンの香りを選びました。

　まずはシャワールームで軽く身体を流します。それからサロンと呼ばれる、タイのラップスカートに着替え、小高い丘の上にあるハーバルバスエリアへ向かいます。タマリンド・リトリートは山の中にスパの施設が点在している感じ。移動もまるで森の中を散策しているような感じです。

　マッサージの前、1時間ほど、ハーバルバスと呼ばれるスチームサウナで過ごします。大きな岩をくりぬいたようなサウナ室へ入ると、ごうごうと音を立てるボイラーの音が。そして中はハーブの香りが漂う蒸気で満たされていました。ハーブの香りが気持ちよくて、頭がさっぱりしてきます。10分くらいすると熱くなってくるので再び外へ。すぐ隣にある滝壺のような小さなプールにどぼーーんと浸かります。これが気持ちイイ　ちょっと深くなっているところで潜ってみたり、泳いでみたり。そしてプールの周りに配置されたチェアでまどろんだり。喉が渇いたら設置されている冷蔵庫から自由に水を飲むことが出来るし、フロントに飲み物をオーダーすることも出来ます。約1時間、そんなことを繰り返します。サウナ室で一緒になった、香港から来た、というご夫婦はここのヴィラに宿泊しているそうで、宿泊客はハーバルバスが無料なのだ、ということを話していました。

　マッサージ開始の時間近くになると、各自更に丘の上にあるマッサージ用サーラーへ向かいます。濡れたサロンは近くに設けられた更衣室で脱ぎ、乾いたサロンに着替えます。担当のマッサージ師さんが更衣室へ迎えに来、いよいよマッサージの開始。マッサージ用サーラー内はサイレントゾーンでお喋りは一切禁止です。黙々とマッサージをしている人達とされるがままに横たわっている人々…。ちょっと異様な光景ではあったけど、私も同じくされるがまま体勢に入りました。

　私のコースは欲張りコースで、フェイシャルから上半身・下半身のマッサージ、オイルマッサージと続く、延々約4時間マッサージというものでした。ハーバルバスエリアで水を飲みすぎたらしく、途中何度かトイレに行かせてもらいました。マッサージをしてくれたのは恰幅のいいおばさま。強すぎず、弱すぎず、心地よいマッサージが続きます。

　マッサージをされながら、うとうとと色んなことを考えていました。自分の今までのこと、これからどうやって生きていこうか、それから死んだ兄のこと…。マッサージ師さんの動きは、精神状態が不安定だった私のつらーい身体症状を和らげてくれて、まるで辛い箇所が予め分かっているかのようでした。悪いところって伝わるのでしょうか。マッサージを介して、私とマッサージ師さんの間で無言のコミュニケーションがとられていました。

　オイルマッサージになった頃、辺りは陽が暮れ始め、虫の鳴き声とざわざわと風になびく草の音がしてきました。風が運ぶ空気は夜の気配がしています。まだ何人かマッサージを受けている人が残っていましたが、大分少なくなっていました。一日が終わる……なんだか切ない気分になっていました。心の中で鬱積している私の悲しい気持ちが分かっているかのように、マッサージ師さんの手は優しく動きました。「大丈夫、大丈夫だよ」まるで何度もそう言ってくれているみたいでした。タンジェリンの明るい柑橘系の香りが、私の気持ちをふわっと軽くしてくれました。その途端、涙が次から次へと溢れ出しました。どうしよう、止まらない。でも、まるで「泣いていいんだよ」、と言っているように、マッサージは続けられました。

　時間になってマッサージは終わりました。辺りはもう真っ暗です。私とマッサージ師さんは向かい合い、二人でワイのポーズをとりました。私は感謝の気持ちでいっぱいだった。まだ目には涙がたまっていたと思う。一言も交わさなかったのに、マッサージ師さんは、何もかもを分かって包み込んでくれた、そんな表情をしていた。目と目を見つめ、礼をして、サーラーを後にしました。このマッサージのことは忘れることができません。

　帰りもリゾートまで送迎の車で送ってくれました。スパを受けて、なんだか身体にパワーが充填されたような気がしました。腹痛は治まったとはいえ、なんとなくふらふらしていた身体がしっかりしたような感覚があったのです。夕食は部屋でルームサービスをとりました。2品頼んだらものすごい量だったんだけど、久しぶりにお腹が空いていて、もりもり食べることができました。翌日のシュノーケリングツアーに備えないとね！　この日は心地よく眠りにつくことができたのでした。

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タグ：タイ サムイ島 タマリンド・リトリート

コメント 9

いい出会いとなってよかったですね。
by kazn (2009-05-16 16:55) 

本当に癒してくれるゴッドハンドを持つおばちゃんだったんですね～
by miko (2009-05-17 01:49) 

kaznさん、
そうですね、タマリンド・リトリートは本当に行ってよかったです。
なんというか、すごくスピリチュアルな感じでした。
一言も交わさないのに分かり合ったような不思議な感じ。
貴重な出会いでした。


mikoさん、
ゴットハンド、まさにそうかも。
私は結構マッサージとかエステが好きでよく行く方なのですが、ここでのマッサージに優るものにいまだ出会ってないです。
しかも4時間近くぶっ続けでマッサージするってすごいです。
手抜きらしいものも一切感じられなかったし。
タイの人のホスピタリティがマッサージに込められているのかもしれないです。
by pawpaw (2009-05-17 23:30) 

シュノーケリングの内容が気になってます＾＾
マッサージで私も疲れを癒してもらいたい・・・・

ポチポチポチっとｵｳｴﾝ☆
by やまがたん (2009-05-18 06:41) 

やまがたんさん、
ご旅行の疲れがたまってませんか？…（＾＾；。
クイックマッサージでもしてもらうと随分違うので辛いときにはお試し下さいませ。
シュノーケリングは沖縄に軍配が上がりそうです。
様子については次回ふれたいと思います。

ｵｳｴﾝいつもありがとうございます～♪

by pawpaw (2009-05-19 23:15) 

しばらくお逢いしてませんが、お元気ですか？
by kazn (2009-05-28 21:39) 

kaznさん、
ご心配頂いてすみません。
また、ご無沙汰してしまってゴメンナサイ。
バタバタしてまして、時間に余裕がなく、ブログをお休みしてました。
やっと落ち着きつつあるので、もう少ししたらお邪魔したい＆記事も続けたいと思っています。
気にかけていただいてありがとうございます。

by pawpaw (2009-05-28 23:08) 

安心しました。
ごゆっくりしてください。
by kazn (2009-05-29 21:21) 

kaznさん、
ありがとうございます～（＞_＜）。
もう少ししたらゆっくり記事を拝見したいと思います。
by pawpaw (2009-05-29 23:23)